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中国で増える“無人”の光景:AIも導入、ついにレストランまで登場

 中国ではいま自動販売機が増えています。日本全国の総数500万台と比べれば17万台(2018年度)に過ぎませんから、まだまだ取るに足らない数でしょう。でも、2年後には34万台となり倍々ゲームを続ける勢いなんです。

 もぎたてのオレンジやココナッツのジュースが飲める自販機もよく見かけるようになりました。支払いは当然、スマホをかざしてQRコードを読み取ってハイ完了――現金を扱ってくれる自販機は絶命間近です。

 

自動販売機だけではなく、中国のリテールの世界では“無人化”のトレンドの真っただ中にあります。別にイノベーションシティである深セン杭州のことではなく、中国の主要都市なら無人コンビニや無人スーパーを見かけるのは珍しいことではなくなってきました。

 

念のために言うと、“無人”といっても、お客さんが見当たらないというわけではなくて、作業に従事する人がいないのです。その点、日本のように人里離れた場所で進む“無人駅化”のようなケースとは違って、ハイテク技術が背景になっているのがポイントです。

 

そして、ついには天津に無人レストランまで登場しました!

 

 

18年11月10日に開業した「京東X未来レストラン」1号店です。場所は天津エコシティ。なんと、著名な料理人が監修したレシピにもとづいて5台のロボットシェフが調理に腕をふるってくれるのだそうです。

 

 

“ロボットシェフ”がレパートリーとしている料理は約40種類。8大料理(山東:魯菜、四川:川菜、湖南:湘菜、広東:粤菜、福建:閩菜、安徽:徽菜、浙江:浙菜、江蘇:蘇菜)の代表的なメニューを網羅していると聞くと、ちょっと興味をそそられませんか?

店内で活躍するロボットは“シェフ”だけではありません。調理以外にもオーダー受付から会計、料理の保温、客席テーブルへの配膳に至るまでの全プロセスをAI技術で行っているんです。京東は今後、他の飲食店と提携しながら、この無人レストランを多店舗展開し、目標では1,000店舗まで拡大していこうというのですから驚きです。

 

  かつて中国で名物(だったエレベーター操作員のおばさんや、スーパーの荷物預かり担当といった人たちはどこに姿を消してしまったのでしょうか?唯一、「人海戦術」の名残りかと思える光景は地下鉄のセキュリティーチェックぐらいのように思えてきます。でも、遠くない未来にはそれもロボットに姿を変えるのかも知れませんね。