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GEEKLY | QRコード決済がもはや時代遅れに?

中国“新四大発明”と呼ばれているのが「高速鉄道」「ネットショッピング」「モバイル決済」「シェアリング自転車」です。高速鉄道以外は程度の大小の差はあれ、いずれもQRコードを活用した決済サービスに直結していますが、ここへ来て決済アプリをめぐる業界地図が変動の様相を呈しています。POSデバイスを必要としないPOS決済――そんなギークリーなサービスを始めたスマホメーカー大手ファーウェイのサービスをご紹介いたしましょう。

「生まれは日本、育ちは中国」が語り草になっているQRコード。これが中国社会のキャッシュレス化を推し進める大きなエンジンの役割を果たしてきたのは周知のとおりです。とはいっても、利便性に長けている一方で、QRコードのセキュリティー面について不安視する声にも根強いものがあります。たとえば、アカウントの乗っ取りやウィルスの感染、バックドアが設定され情報が流出してしまうリスク等、数を上げればきりがありません。そしてリスク回避策としては、せいぜい不審なQRコードをスキャンしないように呼びかけるくらいが関の山といえそうです。

 

安全・安心面での不安を解消する新たな電子決済のかたち――そんなコンセプトで存在感を示してきたのが国際ニュースでも何かと話題に事欠かないファーウェイ(華為)です。同社は2018年、中国銀聯カードおよび各大手銀行と提携してスマホPOS製品の運営を中国の主要都市でスタートさせました。ファーウェイの主要機種には「ファーウェイ・ペイ」という決済アプリが搭載されています。これを任意のアイテムに表示されたタグ(雲閃=Peng―Pengモバイル・クイックペイ=)に近づけ、支払い金額の入力と指紋認証を済ませれば決済が完了するのです。このサービスのベースになっている技術がNFC(Near Field Communication)と呼ばれるもので、日本語で近距離無線通信規格と訳されています。

 

 

いわばPOSデバイスの設備投資が不要な“POS”サービスです。ネット環境も必要ありません。そんな敷居の低さからか、提携銀行は早くも18年末時点で90にも上り、さらなる広がりが見込まれているとローカルメディアは伝えています。

ちなみに、ファーウェイ・ペイは他の決済ツールと比べると、安全・安心面でも一日の長があります。スマホがPOS端末のごとくカードリーダーの役目を果たしているとしたら、NFCタグはカードエミュレーションです。画面をオフまたはロックした状態のスマホを「peng一pengクイックペイ」のタグにかざしても支払い画面が現れることはないのです。これなら不注意でスマホを紛失したり盗難にあったりしても、第三者による悪用を回避できそうです。それに、スマホをオンにして画面ロックを解除した後に操作を行うので消費電力小さいのもメリットといえるでしょう。一方、売り手にとっても、NFCチップに書き込まれた情報が改竄されたり盗まれたりするリスクを回避できるので安心です。

中国のモバイル決済市場といえば、周知のとおりアリペイ(支付宝)とWeChat Pay(微信支付)による寡占状態にあるのが実態です。Line PayやApple Pay、あるいは、Google Pay、Samsung Pay、LG Pay等、海外の決済アプリが束でかかっても2大アプリの牙城を突き崩すことはできそうにありません。そこへ新たなプレイヤーとしてファーウェイが参入しました。果たして時代は「Scan(掃一掃)”から“Peng―Peng”へ」と向かうのでしょうか?ファーウェイ・ペイが第三の極として飛躍できるのか、今後の展開に目が離せません。

 

さまざまな決済サービスがしのぎを削る中国で、Nanacoも日本人の読者のみなさまが快適なライフスタイルを築けるように全面サポートを行っています。ハイヤー配車やデリバリー、宅配便、携帯電話料金チャージ、電子商取引(3月にリリース予定)等、便利な機能が目白押し。アリペイ、WeChat Pay、Paypal、AEのほかVisa、MasterCard等、幾多の決済ツールに対応しています。必要な金額をNanacoウォレットにチャージしてご利用いただくことも可能です。セキュリティーにも入念な配慮をしていますので、ご安心あれ。