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996――ハイテク業界の労働慣行を巡って侃々諤々 | Nanaco Geekly News 2019.05.01

2019/05/01

 

MC: Shun Tanaka@Nanaco

デザイン:柳華惠@Nanaco

 

聴けば、見えてくる!7つの話題でお届けするCHINA Geekly Insight。微信公衆号「HeyNanaco」では、毎週1回、中国のローカルメディアのニュースからピックアップしたギークリーな話題を7つ選び、音声と文字でお届けいたします。

 

「996」――毎朝9時に出社し、夜9時まで残業、週6日労働という中国のハイテク業界の労働慣行をめぐって中国のネットでは白熱した議論が交わされてます。アリババ・グループのジャック・マー氏が微博(ウェイボー)で「996」を支持する見解を示すと「人民日報」がこれを批判、3月14日の論説で「996の長時間労働文化を強要することは、企業経営者のおごりを反映しているばかりか、不当かつ非現実的だ」との主張を展開しました。一方、生鮮食品デリバリーの「毎日優鮮」がアプリのアップデート通知として「007(24時間就業、週7日出勤)こそノーマルで996はむしろ福利だ」とアップルストアでコメント。するとユーザーからは一様にアプリ評価に一つ星ランクが付けられるなど不評を買う一幕もありました。なお、ハイテク業界の労働慣行には、「996」や「007」のほか、「8116+8」(月曜から土曜日まで朝8時から夜11時まで就業し日曜日も8時間労働、休日は月2日)というものもあります。

【出所:IT之家、新浪科技ほか】

 

中国の配車サービス大手「滴滴出行」(ディーディーチューシン)の海外展開が加速しています。同社とソフトバンク合弁会社であるDiDiモビリティジャパンは4月24日、東京と京都でタクシー配車サービスを始めると発表、2019年度内に北海道や兵庫県でも事業展開していく意向です。先行する大阪での事業は3月時点で提携会社が40社、リリース時から3倍の規模に拡大し、毎月の業務量の伸びが平均6割に達するなど業績も好調です。最もユーザー満意度が高いアプリにも選ばれました。日本以外では、オーストラリア等で配車サービスを提供するほか、ブラジル、メキシコ等でも現地の公共機関との提携を積極的に進めています。

【出所:中国新闻网】

エンターテイメント業界大手の華人文化集団は4月24日、米国のディスカバリー(英: Discovery, Inc.、DI)と中国でテーマパークの設立に向けて協業していくと発表しました。食事や宿泊、スポーツ、レジャー、ショッピング等、教育とレジャー機能を一体化し、未知の世界への探究を青少年が楽しみながら行えるようにサポートすることをコンセプトにしています。そのほか、2歳から5歳までの児童やファミリー層を対象に、STEM教育(科学、技術、工学、数学)分野におけるツールの開発等でも両者は手を携えていく見込みです。

【出所:新浪科技ほか】

 

フィンテック・プラットフォーム「360金融」は4月25日、「2019年第1四半期“中国都市信用度ランキング50”」を発表しました。同プラットフォームのユーザーに対する信用度を評価したもので、上位にランクされたのは、上海、蘇州、嘉興(ジャーシン)、无錫(ウーシー)、北京でした。ランキング評価は、「Argus(アルゴス)」AIリスクマネジメントシステムで不正アクセスを制止したうえで審査した「360借条」(「360金融」傘下の消費者ローン会社)の申請ユーザー数に基づいており、ユーザーのビックデータを元にAIによる分析と信用スコアの算出が行われ、中国全土の50に及ぶ各省の都市が順位づけられました。なお、信用スコアはローン利用の可否や利率を決める際の参考データとなりますが、南方の都市のスコアが高めという傾向があります。中でも上海、浙江、天津、江蘇、山東、福建等の地域のスコアが良好と見られています。

【出所:Techweb】

 

量子計算機やAI翻訳機、量子科学実験衛星「墨子号」、そして量子通信による「安全なインターネット」など、“中国初”“世界初”の画期的な技術が一堂に会するテーマ博物館が4月24日、安徽省にオープンしました。投資額は10億6600万人民元にのぼります。博物館は3つのパビリオンから構成され、総面積は約8万2000平方メートル。展示物は1,042件に及びます。「イノベーション」をテーマとした博物館が中国で開設するのは初めてのことです。

【出所:中安在線】

 

検索エンジン百度バイドゥ)は4月25日、同社のスマホアプリ「百度APP」にスイス連邦のミニプログラムを開設したことを明らかにしました。中国からの旅行客誘致を目的としたスイス連邦による情報発信をミニプログラムで行うもので、ビザ等の出国に関するサービスやスイスの観光情報、そのほか関連ニュースなどが閲覧できます。ミニプログラムへのアクセスは簡単で、「百度APP」で“スイス”と入力するか、もしくは音声検索をする方法、もしくは「百度地図」(バイドゥ・マップ)で同国の在中国大使館や領事館を検索する方法があります。百度がミニプログラムのサービスを開始したのは昨年7月で、18年第4四半期には月間アクティブユーザーが1億5,000万を超えたほか、国や省の政府部門や企業等が提供するサービスのゲートウェイとして開設するケースも増えています。

【出所:新華網ほか】

ショート動画アプリ「抖音」(どういん、日本語名称TikTok)が百度バイドゥ)を訴えました。4月26日の報道によると、抖音は百度が無断で抖音のショート動画作品を百度のアプリ上で検索できるようにしたのは不正竞争だとして、百度に対して侵害行為の即刻停止と9,000万人民元の損害賠償、ならびに百度のトップページで30日間に渡る謝罪を行うことを求めています。法院(裁判所)は訴えをすでに受理いたしました。抖音側の見解にもとづけば、百度は抖音側からのライセンス授与を受けないまま百度APP内に「抖音コラム」欄を設置して作品の視聴ができるようにしたほか、抖音のウォーターマークを除去するなどの措置をとっていました。抖音は本来なら自社が得られるべきトラフィックが“強奪”されたとして百度を批判しています。

【出所:Techweb】