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中国大陸から日帰りで出入境!とっておきの海上ルートをご紹介

ビザの都合ですぐにでも出国(境)する必要がある場合、どこへ向かえばよいのでしょうか? 空路だけではなく“香港新幹線”を利用するのも一手です。上海からの直行列車もあります。でも、意外と知られていないのが、南方に向かい海路を使う方法です。香港に出向かなくても“日帰り”で出入境ができるのです。

ストレスフルな上海からの出国(境)

 

ビザ等の都合ですぐにでも出国(出境)する必要に迫られることはないでしょうか。今回のHeynanacoでは、中国最大の商業都市である上海にいると仮定して考えてみます。LCCを含め多くの国際便が就航する上海でしたら、出国(出境)するのはそんなに難しいことではないという印象があります。でも、実際はどうでしょうか。

日本人が多く住む虹橋エリアから浦東国際空港までタクシーで移動すると費用は200元。時間は1時間以上を想定しなければならず、結構骨が折れます。アクセスが楽な虹橋国際空港を利用できれば良いのですが、あいにくフライトの選択肢は僅少。東京・羽田とソウル・金浦に向かう便があるくらいです。

そこで、虹橋高速鉄道駅から香港西九龍に向かう方法が重宝します。広州や深センに出向けば香港とも指呼の間。出入境は自由自在です。直行列車もあり、虹橋駅を14時10分に出発する列車ですと、所要時間が8時間20分、22時30分には香港に入ることができます。

上海から厦門

 

とはいえ、このご時勢ですから、もしかしたら香港ルートを躊躇する方もいるかもしれませんね。では、他にどんな選択肢があるでしょうか。

おすすめしたいのが、空路または鉄路を海路と組み合わせる方法です。向かう先は――福建省厦門(アモイ)です。

上海から厦門までざっと1,000キロ。青島までは500キロ、深センまでは1,400キロですから、2つの間くらいの距離という感覚です。

空のアクセスを見ると、厦門には虹橋空港からの便もあるので便利です。厦門高崎国際空港からは市中心部まで楽に移動できます。空港バスは10元(160円、1元=約16円)、ハイヤー配車は30元ほどですので、上海の交通費と比べると割安です。

ちなみに上海虹橋駅から高速鉄道で移動する場合、厦門北駅までの所要時間は7時間ぐらい。最も速い列車となると5時間16分というものもあります。

フェリーターミナルから金門へ 

 

厦門に着いたらまず向かう先は五通フェリーターミナル(五通碼頭)です。最終目的地である「金門島」行きのフェリーに乗るためです。

金門島は大陸エリアではありません、中国人の旅行客ですと台湾エリアへの「通行証」の取得が必要で、現在は団体旅行でしか行けません。一方、日本人でしたらノービザで良いのですが、いずれにせよ「出入境」が必要な場所なのです。

五通フェリーターミナルから金門行きフェリーは一日に何便もあります。シートリップ(携程網)などの旅行サイト(またはアプリ)でチケットの予約が可能で、費用は約160元程度です。出発時刻の数時間前から搭乗手続きが必要な空港とは違い、フェリーターミナルには1時間ぐらい前の到着でも十分でしょう。

 

異国情緒あふれる小島 

 

金門に到着してからの入境手続もスムーズに進みます。ターミナルを出ると観光案内所があり、時間が許されるのなら電動自転車をレンタルして島内を巡ってみてもよいでしょう。半日あればメジャーな観光スポット3か所くらいは優に回れます。

もっとも、当初は“日帰り”を想定していたものの、エキゾチックな島の雰囲気の虜になり、民宿(写真:銃楼民宿)にでも数泊くらいしてみたいという気持ちに駆られるのは必至です。日本で言うならちょうど白川郷を訪ねたような感覚。世界遺産級の建築物がゴロゴロしています。展示館等に入っても入場料無料が相場ですので、旅行コストも安くつきます。

さらには金門島を経由して台北、高雄へと向かうこともできます。大陸から直接台湾エリアに向かうよりもフライト代が安くつくのはメリットです。台湾経由で日本に帰国するのも一考の価値があるのではないでしょうか。

(レポート:高野耕雲)