国慶節で最も混雑するスポットはどこ？ 突如現れた“聖地”にファン殺到か?
「十一節」――中国の建国記念日（国慶節）に伴う大型連休が間もなくスタートします。例年のごとく、中国人観光客がこぞって長距離旅行に繰り出すことになりますが、今年のホットスポットはどこでしょうか。突如として登場した新“聖地”にも注目が集まっています。
■中国国内では北方と西南が人気？
秋の「民族大移動」のシーズンが到来しました。では、今年の国慶節連休で人気を集めている旅行先はどこでしょうか。
聯合交通運輸部科学研究院、シートリップ（携程）、中国天気網とともにこのほど発表した「2019年国慶節假期出行予測報告（2019年国慶節連休中お出かけ予測レポート」によると、中国国内で最もホットなエリアとなっているのが北京、長春（吉林省）、楽山（四川省）でした。そのほか、成都、重慶、西安といった西部の都市、浙江省や江蘇省等の都市も上位にランクされていますが、北方エリアと西南エリアに人気が集まる傾向があります。
観光スポット別でいうと、北京の故宮、天安門、天壇、上海の外灘（バンド）、嘉興（浙江省）の烏鎮（うちん）、成都の寛窄巷子（かんさくこうし）、重慶の洪崖洞（ホンヤートン）などに注目が集まっています。
今年は国慶節70周年。北京を訪れる観光客の数は例年を大きく上回ることが予想されています。一方、中国国外に目を向けると、国別では日本、韓国、タイが、都市別ではバンコク、東京、ニャチャン（ベトナム）が上位を占めました。
■MV大反響で混雑必至の7スポット
さて、大型連休中に東京へ多くの中国人観光客が押し寄せるのはいまに始まった話しではありません。しかし、今年の国慶節連休は“混み具合”にさらに拍車がかかるのではないかとの予兆があります。
アジアの音楽界でレジェンド的な存在を保っているジェイ・チョウ（周傑倫）が新曲「説好不哭（泣かないと約束したから）」をリリースしました。ミュージックビデオ（MV）にはキャストとして日本人俳優の三吉彩花（映画『ダンスウィズミー』主演）、渡邊圭祐（『仮面ライダージオウ』）が出演。彼らが東京を舞台に演じる純愛ストーリーがいま中国のネットで大反響となっているのです。
そこで予測されるのが、MVの撮影スポットの“聖地”化です。SNSでは早くもチェックインが必須な７つの場所として詳細な情報が拡散しています。
☆東京タワー☆
（東京铁塔）
映画やドラマで中国人にもなじみ深い東京のシンボル。MVのオープニングに登場。
☆machi machi―マチマチ―原宿店☆
（machi麦吉奶茶店）
☆パレスサイドビル☆
(Palace Side大厦)
☆谷中ぎんざ☆
（谷中银座）
ノスタルジックな気分に浸らせてくれる下町にあり、商店街文化をいまに伝えます。
☆高円寺商店街☆
（高圆寺商店街）
☆銀座カツミ堂☆
（银座KATSUMIDO）
☆東京スカイツリー☆
（晴空塔）
「晴空樹」と訳すべきところ、商標登録等の事情で「塔（タワー）」になったとか。
■「アニメ聖地88」にも殺到?
にわかに熱い視線が注がれている“聖地”をご紹介したついでに、「アニメ聖地」についても取り上げておきましょう。
そもそも“聖地”とは、アニメ・漫画の舞台となった土地や建物などに対する呼称として使われることが多いようです。一般社団法人「アニメツーリズム協会」は近年、そんな“聖地”を訪れる（聖地巡礼）ファンを増やしていくことで訪日観光促進を図ろうと、「アニメ聖地88」を近年発表しています。
現在、2020年版「アニメ聖地88」のWEB投票を英日中を含む10言語で受け付けており、まもなく投票が締め切られます。（当初発表されていた期限は2019年6月1日13：00（日本時間）～9月22日）新たにどの地域がランクインするのか、観光促進を図りたい旅行関係者にとっては落ち着かない気分でいるのではないでしょうか。
帰省や出張で国慶節期間中を日本で過ごされる予定の方も多いでしょう。もし、人混みを厭うのでしたら、“聖地”へのアプローチは慎重にされたほうがよいかも知れません。
それでは、どうか良い連休をお過ごしください。
