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中国は“年越し”前だけど新年好! 春節の挨拶フレーズを事前チェック!

 

 

2020年の幕が開けました。幸先よくロケットスタートが切れたと思ったのも束の間、周囲を見渡せば、もしかしたら心不在焉(xīn bù zài yān、上の空)という人も少なくないかも知れません。それも、さもありなん。中国の“年越し”はこれからが本番。1月10日から始まる「春運」(※)を控え、どうやら“忘年会”とも“新年会”ともつかぬ、極めてファジーな時空間に身を置くことを余儀なくされそうです。2020年第1号の「Heynanaco」微信公衆号では、中国の“年越し”に役立つ挨拶フレーズをまとめました。

 

※春運(しゅんうん)は、中国で春節旧正月)中に交通量が非常に多くなる現象。

“新年”の区切りはファジーだが…

 

 

日本人は「“ていこく”主義」(“imperialism”ではありません!)だとよく言われます。年賀状は元旦(Yuándàn)に送達されるものだと決めつける人もいれば、ネットで動画のオンデマンド配信が普及していても、お好みの番組を視聴するために“定刻”になるとテレビの電源を入れるのがポリシーという人も少なくないはずです。

そんな“国民性”がゆえでしょう。クリスマスシーズンから「新年好!」の挨拶が飛び交っていたり、年が明けてもクリスマスツリーやサンタクロースの像が商店街から撤去されていなかったり、はたまた盛大な宴会に参加すれば三本締めもなく自然解散してしまったり……という中国での慣習になじめない人がいるのも無理はないでしょう。

ただ、けじめ・区切りを重視する日本と相反する状況にあるのが中国だと言うつもりはありません。周知のとおり、中国は陰暦で正月(春節)を祝います。春節の「大年初一」(旧暦1月1日)を迎えるまでは「過年好!」という“年越し”の挨拶が使えないという“ルール”も存在するのです。

「庚子(かのえね)」の幕開けは1月25日

 

 

さて、今年の春節は1月25日です。この日から「庚子(かのえね)」の年が幕開けます。したがって、「除夕(chúxī)」「大年夜(dàniányè)」(大晦日)と呼ばれる1月24日までは「己亥年(ji3hai4nian2/つちのとい)」です。暦の上ではさしずめ「いのしし年」のしっぽに当たると言ってよいでしょう。

となると、年明け早々に出生した子どもは日本でネズミ年生まれとして扱われても、中国での干支は「いのしし」になってしまうという不都合が生じてしまいます。もっとも、お正月を新暦で祝うのは日本だけです。正月に対するスタンスは中国のほうが“デフォルトスタンダード”だといえるのかも知れません。

 

 

一方で、過ごす時期は異なれど、中国の大晦日、新年の過ごし方は日本人にとっても理解しやすいものだと言えるのではないでしょうか。静寂に包まれたなかで荘厳な除夜の鐘が響き渡る日本の年越しと、「鞭炮(biān pào、爆竹)」でけたたましい中国(禁止されている都市も増えましたが…)のそれを一緒くたにはできないという指摘もありますが、いやいやベースは共通している面も多いのです。「春联(chūnlián、春節を祝う掛け軸)」や「年画(nián huà、春節に掛ける吉祥を表す絵)を自宅に飾り、「年夜饭(niányèfàn、大晦日に食する料理)」と「春节晚会 (Chūnjié wǎnhuì、「紅白歌合戦」に相当するテレビ番組)」を家族水入らずで楽しめば、新年のお祝いに「紅包(hóngbāo、お年玉袋)」に入れた「压岁钱(yāsuìqián、お年玉)」を子どもに渡す――と言った具合です。

 

新年・春節の挨拶:基本編

 

 

ともあれ、“年末”なのか“年始”なのか判別しづらい極めてファジーな時空間にありながら、いよいよ「快要春节了(Kuàiyào chūnjié le、もうすぐ春節ですね)」という時期に突入してしまいました。中国での新年・春節の挨拶をまとめてみましたので、参考になれば幸いです。

 

●ポイント1:「祝~」の文型

「新年好!(Xīn nián hǎo !)」や「新年快乐!(Xīn nián kuài lè !)」という一般的なフレーズを元に、バリエーションをより多く持とうと思ったら、「祝你 Zhù nǐ」を活用するのも一手です。

 

これは英語の「I wish〜」に相当し、未来を「祈る」という意味になります。したがって、いまの時期(2020年1月6日)でしたら、「过年好!」はまだ使えなくても、「祝你过个好年!(Zhù nǐ guò ge hǎo nián ! )」というフレーズなら大丈夫です。(※ただし、春節になったら使うことができません。)

 

●ポイント2:感謝の意の伝え方

「旧年中は大変お世話になりました」「今年もよろしくお願いします」というフレーズは日本人が年始の挨拶で使う常套句です。これらを中国語にするとざっと次のようになります。

 

[使用例]

・去年承蒙您多方面的关照。 (Qùnián chéngméng nín duōfāngmiàn de guān zhào.)

 

・今年也请多多关照!(Jīnnián yě qǐng duōduō guānzhào!)

 

新年・春節の挨拶:応用編

 

 

故事成語が四つの漢字で成り立つように、中国語の新年の挨拶もやはり四文字で収めるとしっくりします。たとえば、「謹賀新年」に相当する「恭贺新禧 gōng hè xīn xǐ」というフレーズを使うのもよいでしょう。そして、“四字熟語”を複数続けたり、基本編で触れた「祝~」を頭に添えることで、より多くのパターンを作ることができます。

 

[使用例]

・新年好!恭喜发财!万事如意!

・新年好!身体健康!全家平安!

・新年快乐! 健康长寿! 四季如意!

・新春快乐!万事如意!身体健康!

・恭贺新年!一帆风顺!事业有成!

・恭贺新年! 好运不断!斗志不减!

・恭贺新禧!心想事成!心如所愿!

・恭贺新禧!事业发达!生意兴旺!

・新年快乐!福寿安康,心想事成,开开心心!

・新年快乐!祝您全家健健康康,快快乐乐,事事如意!

 

新年・春節の挨拶:ネズミ年編

 

 

2020年1月25日から始まる「庚子(かのえね)」の年は、ポジティブに見れば、「新たな芽吹きと繁栄の始まりの年」です。新しいことを始めると上手くいく年だそうです。そこで、巧みに時代の波に乗り、たしかなスタートが切れるように願う意味で、新年の挨拶に干支の動物(ネズミ)を入れると、またひと味違った挨拶となります。たとえば、例文にあるように、“鼠(shǔ)”を別の漢字の発音(たとえば“数”)に掛けるなど工夫するのも良いでしょう。

では、一足先に、「庚子」の年が読者のみなさまにとって有意義な年となりますことをお祈りいたします。(耕雲)

 

[使用例]

・金猪跑! 玉鼠跳! 噼啪噼啪新年到

・鼠年运气好! 愿有爱的你! 心有所“鼠”!

・金猪跑! 玉鼠跳! 噼啪噼啪新年到

・鼠年到!愿您有"鼠"不尽的笑容! "鼠"不尽的幸福 "

・祝你们在新的一年里身体健康,万事如意,猪年大吉!