コロナ便乗“値上げ”失敗!?
コロナ便乗“値上げ”失敗!?
海底撈の価格、1月末の水準に
新型コロナウイルス感染症の影響によるコスト上昇を受け商品の値上げ措置を取っていたハイディラオ(海底撈)は4月10日、微博のオフィシャルアカウントで、値上げは企業管理層がとった失策であり、顧客に不利益を与えたとして陳謝しました。商品価格はすでに店舗が一時休業になった1月26日より前の水準に戻っています。
ハイディラオはもとより、値上げに踏み切る飲食店の事情に関心を持つユーザーの声がSNSで目立ち、新型コロナウイルス感染症の騒ぎが起きる前なら200元で済んだ同店舗での消費額が、350元近くになったという投稿も見かけられました。SNSでは、「値上げの権利は店側にあり、食べるか否かは消費者の選択肢である」という意見もあれば、「収入が増えないのに出費だけ増えるのは不条理だ」と嘆く声もあります。
ハイディラオが陳謝メッセージを配信する前、同社の担当者は4月5日、値上げの背景には新型コロナウイルス感染症によるコスト上昇があり、調整幅は6%に制御されていること、各都市によって異なる価格設定がされていること等、説明を行っていました。
一方、新型コロナウイルス感染防止に関わる製品や、生活用品に関する価格の秩序、品質の安全確保を目的として、国家市場管理総局は1月29日、ネット会議を通して「価格安定、品質確保、サプライチェーンの維持」を主旨とする一連の運動を提唱しており、ハイディラオを含め主要企業はこれを遵守してきました。同社がこのほど陳謝に及んだ経緯にはこうした背景が関連していると見ることができそうです。
なお、新型コロナウイルスが海外外食チェーンに与えた影響は大きく、マクドナルドは4月8日、第1次四半期の売り上げが世界で3.4パーセント下降し、中でも3月については22%の下げ幅だったことを明らかにしています。米国以外でも新型コロナウイルスによる大きな痛手を被っており、フランス、イタリア、スペイン、英国等の地域における3月度の売上は34.7パーセントも落ち込みました。
ちなみにブラジル支社のFacebook公式アカウントでは、マクドナルドのロゴにある「m」を中央で二つのmに分割し、あたかもソーシャルディスタンスをほのめかすメッセージを発するなど、新型コロナウイルス対策を啓蒙しています。
スターバックスの業績もマクドナルドと同じく下降幅が大きく、中国では2月の売上が78%減となりましました。しかし、3月からは持ち直し、最後の一週間の営業だけで下げ幅は前年同期比で42%の減少に留めています。
[参考:毎日経済新聞 2020-04-10]