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モバイルバッテリー市場に激震! 「美団」が再参入!

 

【モバイルバッテリー市場に激震!「美団」が再参入!】

 

フードデリバリーを中心とした生活関連総合サービス大手の「美団点評(Meituan Dianping、以下、美団)」がモバイルバッテリーのシェアリング市場に再参入したことが注目を集めています。

もう使わずにはいられない!?

 

 

同社は、4月に揚州エリアでカスタマーデスク人員として56人を募集したのを機に、人材配置を積極的に進め、少なくとも全体で2,000人もの人材がモバイルバッテリー業務に関わっていると言われています。

 

美団のモバイルバッテリーでは、機体表面に表示されているQRコードを利用者がスキャンすると、デバイス上の画面が美団アプリに移動します。毎回、アプリ画面にジャンプする度にモバイルバッテリーの使用先店舗のページへのアクセスが増加していく仕組みです。

 

言ってみれば、利用者が同じ店舗で美団のモバイルバッテリーを多く使えば使うほど、美団アプリ上での店舗のランキングが上昇する仕組みになっています。さらには、店舗側は設置場所を提供するだけであり、デポジットを含めた導入費用もかからず、収益を上げれば60%が店舗側に分配されるとしています。

 

美団が現在、クーポン利用等で提携を結ぶパートナーの店舗は620万とも言われています。業界関係者には、美団の勧誘を謝絶する理由は少なく、80%の店舗が同社の傘下に入ることも想定されるとした意見も見られています。

唯一儲かるシェアリング・ビジネス!?

 

 

中国のモバイルバッテリーのシェアリング市場は、これまで「街電(JIEDIAN)」「小電(DIAN)」「来電(Laidian)」「怪獣充電(ENERGY MONSTER)」という“三電一獣”が市場を席巻しており、中国の調査会社Trustdataによると、街電が28.6%、小電が27%、来電が15.6%、怪獣充電が25.1%と、上位4社だけで市場の9割以上を占めています

 

なお、モバイルバッテリー市場が興隆を見た2017年、美団も青島などで小規模のテスト運営を行ったことがありましたが、当時は事業拡大に失敗し、いったんは撤退を余儀なくされています。にもかかわらず、今回、同社が捲土重来とばかり再参入を図った背景には、他の分野のシェアリングサービス(自転車等)と比べると、モバイルバッテリーが利潤の獲得が見込める分野であることが大きいといえます。

 

モバイルバッテリーの利用料は、当初、1時間1元程度だったのが、現在では3元程度に値上がりしており、繁華街等では1時間12元と高めに料金設定がされているケースさえあります。2019年における“三電一獣”の粗利率は25%近かったと言われ、4社は安定的な収益を上げていました。

 

【参照:投資界 2020-05-17 他】