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「ポスト・コロナ」時代はどうなる? 中国の“あるある”[Vol.4]| 今日のお題:食習慣 &中国の豆知識

 

【「ポスト・コロナ」時代はどうなる?中国の“あるある”[Vol.4]| 今日のお題:食習慣 &中国の豆知識】“新しい日常”は「ポスト・コロナ時代」の“新常態(ニューニュートラル)”として定着していくのでしょうか。それとも疫病が終息を迎えれば、何ごとも無かったかのように再び“古い日常”が戻ってくるのでしょうか―――。本連載では、外国人が時として違和感を持ちがちな中国の“あるある”をピックアップしながら、中国に関する「豆知識」を紹介していきます。

■「新しい生活様式」における心得

 

 

繊維業界紙繊維ニュース」の6月8日付コラム「ごえんぼう」では、厚生労働省がこのほど示した「新しい生活様式」における食事マナーの話題に絡めて、「朕は国家である」で有名なルイ14世に関するエピソードが紹介されていました。ある田舎の貴族にルイ14世が激怒して禄を減らす措置をとった理由――それは貴族がビフテキを頬張りながらルイ14話しかけてきたからだというのです。

 

そもそも口に食べ物を含んだまま話すという行為は、見苦しいことはもとより、食べる本人にとっても咀嚼が少なくなり消化が悪くなるというデメリットがあると考えられています。どうやら古今東西、戒めの対象となるのは道理にかなっていると言えそうです。

 

さて、円卓を大人数で囲み、尽きることのない話題と共に、大皿に盛られた料理を直箸でつつき合って食べるのが中国の慣習です。となると、先に触れた厚生労働省が示した「新しい生活様式」はこれとは真逆の内容です。「大皿は避けて、料理は個々に」「対面ではなく横並びで座ろう」「料理に集中、おしゃべりは控えめに」――。「新しい生活様式」を読んで、まるで中華料理の楽しみを削がれたように窮屈に感じる人も多いのではないでしょうか。

■食卓の上の異文化

 

 

円卓を囲んで楽しく食事の時間を過ごすという中華流の“作法”は、いつしか日本人も有意義なものとして受け入れるようになりました。回転テーブルの発祥地が日本であるということをとっても、両国の食習慣が相対立するものではないことはわかることでしょう。

 

ただ、中国の「食卓」には、適応しづらい様々な“異文化”が存在するのも事実です。箸がテーブルに縦向きに置かれているのを見ただけでも、なんだか向かいに座っている人に槍か刀をた向けられているようで落ち着かないという人もいるようです。

 

往々にして日本人がなじみづらいのが、中国では食べる際に手間がかかるものが多くあることでしょう。上海ガニ、ザリガニ、タニシ、骨付きリブ、スイカの種等々、殻や骨、種、皮等、食べ物の“残骸”がたくさん生じるものばかりです。それに、一旦、口の中に入れてから吐き出すという行為も、日本人にとっては抵抗感を覚える食べ方なのではないでしょうか。

■変わりゆく食習慣

 

 

一人飯の習慣でも“行儀の悪さ”が目立ちました。地下鉄の列車の中での食事が禁じらるようになったのはごく最近ではないでしょうか。規制がされる前は、通勤時間帯の車内でパオツを“立ち食い”する乗客が少なくありませんでした。中にはおでんを食べる強者まで……。新型コロナウイルスの感染防止対策を通してさまざまな規制が設けられるのは窮屈なものですが、それでも庶民に手洗い習慣が普及し、公共空間での“一人飯”にある程度の規制がかかることは歓迎されることなのかも知れません。

 

では、多くの人たちが清潔であること、健康であることに大きな価値観を置くようになる中で、中国における食習慣は今後どのようになっていくのでしょうかSARSという試練を経て“ハクビシン”を食べる習慣はなくなりました。今回の新型コロナウィルスの流行ではとくに動物は特定されませんが、鳥インフルエンザや“豚コレラ”の騒ぎもありました。すると、これまであったような「四足のものなら机と椅子以外は、飛ぶものであれば飛行機以外は何でも食する」という中国の食習慣にも変化が見られるかも知れません。

 

可能性として、ベジタリアン、ビーガンが増加していくことも考えられます。ケンタッキーは代用肉によるフライドチキンを、スターバックスはビヨンドミートによる代替肉ランチメニューをそれぞれ提供を開始し、話題となりました。これまで台湾等、南方エリアに限定されてきた“素食”(ベジタリアン、ビーガン)という嗜好がやがて全国へと広がっていくのではないでしょうか

 

これと並行して“ゴミ”が大量に発生する食品を減らしていこうという動きも顕著になっていくかも知れません。有機ごみを肥料に変えるなどのテクノロジーも珍しくなくなっていくものの、消費者の側からもごみを増やさないスタンスをとるとなると、食の嗜好も変わっていくことも考えられそうです。

☆【中国の豆知識】

 

 

■中華料理の作法:

 

自由な雰囲気で食事を楽しめる中国でも作法があります。以下、「中華料理」を嗜むマナーのポイントをピックアップしました。

 

●人数+1くらいの料理数が食べきれる料理の目安。

●ドアから遠い席が上座、ドアに近い席が下座。

●皿は取り皿であっても持ち上げないのがマナー。

●円卓は時計まわりにまわし、左となりに順送り

●中国の乾杯はグラスが空になるまで飲むのが基本。

●会食では、食事を少し残すくらいが主催者の顔を立てられて良い。

●食事の主催者ひとりが全員のぶんを支払う。

【参照:「中国語学習素材館」】