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【「ポスト・コロナ」時代はどうなる? 中国の“あるある”[Vol.8]| 今日のお題:美味しい水 &中国の豆知識】

 

【「ポスト・コロナ」時代はどうなる? 中国の“あるある”[Vol.8]| 今日のお題:美味しい水 &中国の豆知識】“新しい日常”は「ポスト・コロナ時代」の“新常態(ニューニュートラル)”として定着していくのでしょうか。それとも疫病が終息を迎えれば、何ごとも無かったかのように再び“古い日常”が戻ってくるのでしょうか―――。本連載では、外国人が時として違和感を持ちがちな中国の“あるある”をピックアップしながら、中国に関する「豆知識」を紹介していきます。

■北方の“水不足”は解決!?

 

 

前回取り上げた「空気」とともに人間の生存に不可欠な要素と言われるのが「水」です。人間の体重の約60%、大脳については約80%が水で占められていると言われます。

 

それゆえ、ドイツの「ノルデナウの水」 やフランスの 「ルルドの水」が実際に病まで治す“奇跡の水”であるかどうかという話しは別といたしましても、水が生命の源であり、生命を維持し、健康を保つうえで根本的な要素であることについて疑いをはさむ余地はないでしょう。

■「水が合わない」のが当たり前

 

 

大連は降水量が少なくても水不足に悩むことのない恵まれた環境にあるといえそうです。一方、慢性的に水不足の問題を抱えていた北京も、南水北調」(※。長江支流の漢江で取水し、湖北・河南省境の丹江口ダムに貯めた水を約1300キロの明渠、暗渠を通し、北京や天津に運ぶ)の巨大プロジェクトの実現で一応の解決を見ているものと思われます。

 

しかし、それでも多くの日本人にとって、中国の水は悩ましき問題です。たとえ、高度浄水処理がされた水が供給されていても、その水道水を直接飲むことはできません。必ず沸かして飲む必要があります。

■炊いたご飯が美味しくない

 

 

水はマグネシウムやカルシウムの含有量によって「軟水」と「硬水」に区別されます。60mg未満は「軟水(soft)」、60mg~120mgは「中硬水(moderately hard)」、120mg~180mgは「硬水」、181mgは)、181mgは「超硬水」(very hard)と呼ばれています。日本の水が軟水(硬度平均50mg~60mg)で、口当たりが良いとされているのはよく知られるところです。

 

一方、現在の数値は調べがつきませんでしたが、北京周辺の水は硬度360mgもあるバリバリの「硬水」です。苦味や重さなどクセがあり、お米を炊いてもおいしくない。炊いたときのニオイがきついのも一癖二癖もある硬水が元凶なのでしょうか。

 

ただし、「硬水」が総じて悪いというわけではありません。ミネラルの補給という点ではメリットもありそうです。中国の人の歯が日本人より丈夫そうに思えるのは水にも原因があるのではないでしょうか。

■保温ポットが普及しない!?

 

 

いまや水は買うものです。生活水準が高まって以来、さまざまなブランドと価格帯の飲料水がコンビニやスーパー等で販売されています。この点は日本も中国も共通していますが、異なるのは冷たい水に対するスタンスでしょうか。ファストフード店などでソフトドリンクをオーダーする際にも「氷抜き」をリクエストする人は珍しくないでしょう。また、上海等は別尾として、スーパーでロックアイスが売られているケースも地方ではまだまだ少ないのでっはないでしょうか。“氷文化”はまだ普及の途上にあるといえるかも知れません。

 

一方、味覚へのこだわりはそれほど厳しくなくても、健康への配慮から、繰り返し加熱される水は忌避する習慣が中国では浸透しているような印象を持ちます。ウォーターサーバーを利用する際でも、熱いお湯の注水口から使うのではなく、冷水口のものを加熱してから飲むというように手間をかけることを厭わない人も少なくありません。

 

そんなことも関係しているのでしょうか。中国の各家庭では、「電気ケトル」の使用頻度が高いのに対して、保温ポットはあまり歓迎されていない向きがあります。いずれにせよ「医食同源」ならぬ「医飲同源」を地で行っていると感じられます。