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TO GO | 杭州ひとり旅のすすめ: 観光ガイドに載らない特選7スポット!

*上の写真は江墅鉄道の跡地に開設した江墅鉄道遺跡公園。江墅鉄道は1907年に開通した浙江省初の鉄道。

 

ひとり旅のメリットは何でしょうか。おそらくそれは観光ガイドや同伴者からの制約を受けることがなく、おもむくままに自由なスケジュールを組めることでしょう。中国でひとり旅をするのにおすすめの街というと、筆頭格に挙げられるのが杭州なんです。なぜかといえば、杭州にはひとり旅にふさわしい魅力的な観光スポットと十分なインフラが備わっているからです。それに治安が良い一方で閉鎖的ではない土地柄であるのも大きなポイントといえるでしょう。では、観光ガイドにはあまり載ることがない特選スポットを7か所ご紹介いたしましょう。

 

杭州はハイクラスの観光スポットの宝庫

 

杭州は2018年の「世界都市リスト」のなかで成都とともに「Beta+」にランクされている都市です12年連続で「中国で最も幸福感にあふれた都市」として存在感を示しているのも特筆すべきでしょう。“天堂”という形容に恥じることなく、杭州には大小含めてAクラスの観光スポットが70もありますが、そのうち5Aクラスが3か所、4Aクラスが34か所にものぼります。ちなみに最も代表的な景勝地である西湖は、2002年の時点ですでに入場料が無料になっています。

 

張芸謀監督と喜多郎のコラボで制作された西湖を舞台にした野外劇「印象西湖」は圧巻

 

 

 

中国国内で初めてとなるデザインをテーマとした博物館です。世界レベルで見てもこれに相当する博物館は数えるほどしかありません。中国美術学院象山校エリアに位置し、建築界のノーベル賞と称されるプリツカー賞を受賞したことでも知られるポルトガルの著名建築デザイナーのアルヴァロ・シザ(Alvaro Siza)氏がデザインを担当しています。建築面積が1万6800平方メートルもある建造物は、三角形の空間美をつくりだしており、外観の色彩は、アンゴラ赤砂岩をベースに、フランスの黄砂岩が加わってつくりだされたものです。いわば「シザ現代主義」の真骨頂が発揮されているといってよい、威風堂々とした美の演出を体感することができるでしょう。

 

 

博物館には、展示館以外に文献センター、在外公館デザインスタジオ、児童/青少年ワークショップ、デザイン製品ショップ、喫茶店/レストラン、そして屋上庭園やブックストア等があります。

 

シンプルかつ広大なスペースに差し込む光線が自然の息吹と交錯し、独特の雰囲気を醸し出している教会です。三澤千代治氏、津島デザイン、プラットデザインといった日本アートの大御所たちの息吹が吹き込まれています。

 

 

この教会は丘のふもとに沿って建てられており、周囲の自然風景やヒューマライズされた環境との融合が見られ、確かな都市計画が背景にあることがわかります。メーンの建物と鐘塔は巧みなバランスで設置されており、訪れる人はきっと心の平安を覚えることでしょう。

 

 

歩みを止めて、ぶらりと立ち寄りたくなること請け合いのセレクトショップです。杭州に数多あるセレクトショップのなかでも、「The 52」はとくにユニークな趣を醸し出しており、おすすめのスポットです。店構えからして独特。外壁の模様から店内に陳列される小物に至るまで、オーナーのこだわりが投影されているのが一目瞭然です。古い工場跡のような趣の屋内には、思わず視線を釘付けにされるようなデコレーションや、骨董品の花瓶、ガラスの容器等で満ち溢れています。どれもオーナーが米国から持ち帰ってきたものだそうです。もし午後のコーヒーブレークの時間帯に足を運ぶのでしたら、店内に差し込む陽光を浴びながら、コーヒーカップ片手に憩いのひと時を満喫してください。

 

 

 

銀塩はファッション、摂影、エグジビション、ファーニチャー、雑貨、書籍を二層のフロアに一体化させたアートの複合空間です。入口にある展示ゾーンを突き抜けると、家具や、雑貨、ファッションの陳列エリアがあり、さまざまな掘り出し物を目にすることができます。レトロな衣類や小物に取り囲まれながら中でたたずんでいると、あたかもタイプスリップをした感覚に襲われることもあるかも知れません。過ぎ去りし日々のなかに置き忘れた大切な何かを探し出してみたい――そんな衝動に駆られるのではないでしょうか。

 

Harbook+はデザインやライフスタイルをテーマとした書籍を専門に扱うブックカフェです。ロケーションは抜群。繁華街である湖濱銀泰に位置しており、入り口からして独特な雰囲気が漂っています。イタリアのデザイナーであるアルベルト・カイオラ(Alberto Caiola)氏がデザインを手がけたそうです。デンマークのブランドであるノーマンコペンハーゲン(Normann Copenhagen)の家具がひときわ存在感を示しています。デザイン、ブランド、ライフスタイル、アート等の雑誌や書籍が陳列されており、知的でアーティスティックな空気が満ち溢れています。

 

 

 

Mansion Joseph Decoはアートデザインをテーマとしたセレクトショップです。オーナーは世界各地から珍蔵物を収集しており、地元ではかなり名が知られる人物ということです。オーナーの名声を慕って訪れる人も多いのではないでしょうか。2フロアで構成されるスペースは色彩豊かに施され、美しいアートとともに、まるでおしゃれな3Dの雑誌が目の前に飛び出してきたような外観をつくりだしています。

 

「一時」は、杭州で人気トップにランキングされるトレンディー茶館だと言われています。2フロアの庭院式の小楼と中華風の質朴な趣が見事なバランスを保っています。ひとりでティータイムを過ごしても違和感のない快適な空間です。茶芸師と向き合い、雑談に花を添えるのもよいでしょう。お茶のウンチクや飲み方の技法についてのアドバイスもしてもらえます。気まずい雰囲気になることも退屈に覚えることもありません。静かに流れる“一時”を満喫してください。

 

 

HeyNanaco <イチオシHotel

フィート ユース アーツ ホテル

(Wheat Youth Arts Hotel )/ 杭州麦尖文芸酒店

 

杭州の浜江にあるトレンディーなホテル。「無印良品」を彷彿させるシンプルなデザインが特徴。銭塘江橋へのアクセスは車で 13 分程度。

 

いかがでしたでしょうか?杭州をちょっと訪ねてみたくなりませんか?“ひとり旅”をしたいと言うと、やれ“あまのじゃく”だの、やれ“理性の喪失”だのとネガティブな言葉を向ける人がもしかしたらいるかも知れませんね。でも、そんな批判はナンセンスです。親しい人と連れ立って赴くのであれ、ひとり旅を謳歌するのであれ、杭州は“天堂”の名に恥じることがない魅力的な街です。ぜひお出かけあれ!