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「露店経済」は諸刃の剣!? 上海で“許可”めぐり情報錯乱

 

「露店経済」がホットなキーワードとなる中、上海の都市管理局はこのほど、ネットで拡散していた海浦東、閘北、閔行、普陀など7つの区にある道路の一部で露店を設置することができるとした「2020上海露店夜市分布図」を根拠のないデマだと打ち消す発表をしました

 

 

都市管理法局は、「上海では個人に向けて露店を開放するエリアはない」としており、「他の都市を見れば分かるように、一夜にして解放前の状況に後戻りをするのも同然」だとして、露店の許可には懸念を示しています。上海では現在、ごみの分別処理を実施しており、一度、露店を許可することでたちまち軒を連ねるような事態は避けたいところです。

 

一方、北京では6月6日、北京日報が「露店経済は北京に適していない」との論評のなかで、「都市機能の位置づけと管理要求について定める必要から、為すこともあれば為さざることもあり、一縄ではいかない都市管理の成果を確実に強固にする」「就業と人民の生活を保障するうえで北京には一連の手段と方法がある」としています。

[出所:財経・北京日報 2020-06-08]

[Vol.1] 今日のお題:身体距離 &中国の豆知識

 

【「ポスト・コロナ」で消滅も? 中国の“あるある”[連載]|[Vol.1] 今日のお題:身体距離 &中国の豆知識】ポスト・コロナ時代で“新しい日常”が「新常態(ニューニュートラル)」として定着するのか、それとも疫病終息と共に、何も無かったかのように再び古い日常に戻ってしまうのか―――。外国人が時として違和感を持ちがちな中国の“あるある”をピックアップしながら、中国の豆知識についてもご紹介していきます。

コロナ以前の身体的距離は…

 

 

連載の第1回目でまず取り上げたいのは、身体的距離についてです。「ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保)」なのか「フィジカル・ディスタンシング(身体的距離の確保)」なのか、ニュースで見かける表現には揺らぎがあるような印象を受けます。日本では5月4日に厚生労働省が、新型コロナウイルス感染症専門家会議からの提言を踏まえた「新しい生活様式」の提言を行っており、そこでは“身体的距離”という言葉で感染対策についてアドバイスしています。

 

この概念はいまでこそ中国でも浸透し、疫病感染対策のなかで実践がされてきましたが、以前はこの概念とかけ離れていたのが中国の日常だったといえるのではないでしょうか。欧米人に見られるハグ等の習慣は浸透していなくても、若い女性が同性同士で手をつなぎながら歩いている光景は中国の街中でよく見られ、これに驚きを示した外国人も少なくないでしょう。

 

 

一方、銀行のATMやスーパーのレジ、あるいは鉄道の切符売り場、バスの停留所等では、どうも人との人の距離感というものがかなり狭苦しくなるのが通常でした。おまけに列の割り込みは当たり前。身体的な距離、“間合い”の取り方といえば、中国よりもむしろ東南アジアの国のほうが日本人にとっては快適で、公共交通機関を利用する際でもほどほどの距離が保たれていた印象さえあります。

ITの進化も後押し、列に並ぶ機会が減少

 

 

一方、公共共バスにせよ長距離バスにせよ、あるいは飛行機にせよ、(筆者が利用するのはエコノミー席だということもあるという事情もありますが)中国ではどうも座席シートの間隔が狭めで、窮屈な思いをすることが頻繁でした。唯一例外なのが、鉄道の寝台列車で、こちらは日本の狭軌と比べてゲージが広い標準軌であるため、列車内のベッドも広く快適でした。

 

それはともあれ、新型コロナウイルスによって中国人の“身体的距離”に対する感覚が劇的に変わったのは、それがルールに従順だからなのか、それとも単に感染防止という自己防衛の意識が働いているからなのか、いずれも一理ありといえるでしょう。一方で、生活レベルの向上によって、モラルに対する意識が高まっている面もあるでしょう。

 

 

そのほかの要素としてITの進歩も重要です。キャッシュレス化社会の進行で、買い物やATMでの現金の引き出しに列に並ぶ必要はなくなっており、一方で、アリペイのスコア表示等の機能によって、ユーザーが極力社会的なルールの遵守に努めているというのも大きいといえそうです。

 

人びとの動機やプロセスがいかなるものであれ、快適な社会づくりが果たされるのであれば結果オーライです。いまや現金決済がまだまだ多い日本のほうがコンビニでの買いものや行政手続も時間がかかるようになっているのではないでしょうか。

【中国の豆知識】

「One Piece」テーマに旗艦店

 

羅森(瀋陽)便利店有限公司(本部: 瀋陽市和平区天津南街46号、総経理:時田貴史、以下、「ローソン瀋陽」)は5月30日、遼寧省瀋陽市中街にあるショッピングセンター大悦城に、東映アニメーションとのコラボによる旗艦店をオープンしました。ローソンがアニメコラボ店を開業するのは中国東北部では初めて。

 

One Piece」をテーマ

 

 

このほど瀋陽市の繁華街である中街にオープンした大悦城店は、ローソン瀋陽の旗艦店という位置づけで、人気アニメ「One Piece」の海賊船をコンセプトとしたアニメコラボ店です。

 

日本と比べて手狭な印象がある一般的な中国のコンビニ店とは異なり、同店舗ではイートインスペースに余裕を持たせ、商品ラックやテーブルほか店舗一面をアニメキャラクターで埋め尽くすなどユニークな演出が施されています。

 

 

 

開店日は長蛇の列に

開業初日となった5月30日は、オープンを待ちかねるアニメファンらが長蛇の列がつくる模様がSNSで多く共有されていました。

 

 

バッジや冷蔵庫用マグネット、ブレスレット等といったバラエティーに富んだコラボグッズを目当てに来店する若者が多く見られ、壁絵やフィギュア等を背景に記念撮影をする光景も散見されました。

 

 

聖地巡礼”のスポットに?

ローソンの関係者によれば、若い世代の消費層のニーズに沿い、今後も不定期に店舗のテーマ変更や模様替えを行っていくとしています。

 

 

なお、同店では6月5日まで開店セールを実施しており、プライベートブランドの商品やおにぎり等を割引価格で提供しています。

 

[参照:羅森Lawson瀋陽 公式アカウントほか]

 

ヤマハの“黒科技”報道、なぜか実証実験地を書き換え!?

 

テレビやネット中継で観戦するファンの声援・拍手をスタジアムの選手に届けよう――そんなコンセプトで大手楽器メーカーの「ヤマハ」が開発した“リモート応援システム”の実証実験が27日、静岡県磐田市の「ヤマハスタジアム」で実証実験が行われ、ネットで話題になっています。

■心はずませ選手に届け!

 

 

日本では、プロ野球は6月19日から、Jリーグは同月27日もしくは7月4日からの開幕が目されていますが、新型コロナウイルス感染症の拡大防止策を念頭に“無観客試合”となることが想定されます。こうした中、ヤマハが開発した「リモート応援システム」に熱い視線が注がれています。

 

このシステムはスマートフォンなどで使える専用アプリで、モニター上に表示される「歓声」や「拍手」などのボタンにふれると、スタジアムに設置されたスピーカーを通じて選手に歓声や拍手を送られるというものです。ファンが自分の声をそのまま届けることもでき、地元紙静岡新聞の報道によると、27日に磐田市ヤマハスタジアムで行われた実証実験では、特設した26台の既設の音響機器を通し、スピーカーで、音の大きさや響き方等を開発担当者たちが念入りにチェックを行ったとしています。

■中国ネットの反応

 

 

このニュースに中国ネットも飛びつき、テクノロジー関連のニュースを配信する「快科技」や、ショートムービー等を扱う情報サイト「梨視頻」の微博公式アカウントが記事として配信しました。微博では、「#雅马哈公司推出远程喝彩软件#」(ヤマハがリモート喝采アプリをリリース)と題したハッシュタグが付けられ、ネットユーザーによるコメントも寄せられています。

 

ネットユーザーのコメントでは、「実のところは現場にいるならもっと参加している意識が高まるんですけどね」と、やはりリアルな観戦体験を望む声がある一方で、日本ならではの“黒科学”(ハイテクの意味)に高い関心が見られます。「カラオケボックスKTV喝采機能を思い出した」「ある意味、コロナが科学技術の進歩を促しているといえる」「ヤマハがまたテクノロジー・ツリーを弄び始めた」「隣人宅にはこれまた迷惑な話しだ」というように、実用化を心待ちにしている声もありました。

■なぜか書き換えられたスタジアム名

 

 

ただ、中国での報道の仕方について気になったことが一つあります。NHKを始め日本の報道では、当該のシステムの実証実験地を「磐田市ヤマハスタジアム」としてあるのに、中国の報道では、「能容纳5万人的静冈县体育场(5万人を収容できる静岡県のスタジアム)」と書き換えられているのです。

 

磐田市」の知名度が低いからでしょうか。同市の人口はわずか約17万人程度。それに市のホームページを見るかぎり、中国には同市と友好都市関係を結ぶ都市はなさそうです。しかし、中国人が磐田市を意識する機会はほとんどないかと思いきや、中国のニュースサイトで「磐田」を検索すると、「磐田喜悦」(ジュビロ磐田)に関する記事がズラズラとヒットするのです。とてつもない数のサッカーファンが存在するのが中国です。磐田市のことは知らなくても、ジュビロを通して「磐田」の名前を見たこと(聞いたこと)があるという人は意外に多いのかも知れません。

 

一方、県の傘下に市があるという日本の行政制度になじみがない中国人からすれば、“静冈县体育场(静岡県のスタジアム)”と記されていることで、とんだ田舎の球場ではないかと勘違いする人がいても不思議ではありません。中国で県といえば、区よりも下のランクだからです。果たして“磐田”の名前を伏せ、わざわざ“静冈县体育场”と書き換えるのは妥当だったのでしょうか?

■知られざる「磐田」の著名人パワー

 

以上、中国での報道に難癖をつけてしまいましたが、あまり疑心暗鬼になっても仕方ありません。とりあえず、テクノロジー記事を通したせっかくのアピールの機会を逸してしまった磐田市に援護射撃をするつもりで、最後に同市のPRをさせていただきましょう。

 

同市は、すでに触れたJリーグジュビロ磐田だけでなく、ジャパンラグビートップリーグヤマハ発動機ジュビロの本拠地でもあるなど「スポーツのまち」として存在感を誇示しているほか「産業のまち」でもあります。ヤマハ発動機やスズキのオートバイ・自動車工場、河合楽器製作所東洋ピアノ製造のピアノ工場、浜松ホトニクスの電子管、半導体製造工場、地場産業であるベルベット・コーデュロイといった繊維産業、その他に香料(高砂香料工業)などの製造拠点があります。

 

そして、最後に取り上げておきたいのが、中国人(とくに若い世代の方)にとってもとてもなじみがある有名人を“量産”していることです。以下、中国のニュースサイトでも関連記事が多くヒットする4人の有名人をピックアップしましたのでご参考まで。

 

AKIRA

EXILEのダンサーで、『レッドクリフ』にも出演。“第一美女”リン・チーリンを射止めた“逆玉の輿”として話題に!?

 

 

長澤まさみ

美脚美女として注目され、『TheCrossingザ・クロッシング』では金城武チャン・ツィイーとも共演!

 

伊藤美誠

卓球で世界ランキング2位。中国の卓球ファンが最も“強敵”として意識する存在。

 

 

深川麻衣

AKB48をしのぐ女性アイドルグループとも言われる「乃木坂46」の“卒業生”。

 

 

⑤水谷 隼

リオ五輪で日本人初となるシングルスの銅メダル。ITTF世界ランキング最高位は4位。

親子で楽しむ中国テーマパーク特選

 

6月1日は中国の“子どもの日(児童節)”です。お子さんのパラダイスと言ったら何と言っても遊園地。あいにく国定休日ではありませんので、この日に足を運べる方は限られているかも知れませんが、お子さんがいらっしゃる方には知っていて損がないのが遊園地についての情報です。「親子で楽しむ中国テーマパーク特選」と題して10か所を勝手気ままにランキング付けしましたのでご参考にされてください。

■“第2波”防止にあの手この手

 

 

RecordChinaは28日付けのニュースで、人民日報系の環球時報が5月28日、フランス通信社(AFP)の報道(27日付)を引用し、営業再開に向かう日本国内の遊園地が講じる新型コロナウイルス感染拡大予防策について紹介しています。

 

同記事では、東京ディズニーランドユニバーサル・スタジオ・ジャパンの営業再開に目処が立たないなかで、東日本・西日本遊園地協会が合同で「新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」を発表したとしています。

 

ガイドライン」では、来場者に「マスク着用」やジェットコースターや他のアトラクションを楽しむ際のマナーとして「大声を上げない」ことなどを求めているほか、お化け屋敷やマスコットを登場させるイベントに従事する職員に対しては、来場者との“ソーシャルディスタンス”を保持するように指示が盛り込まれています。

■上海ディズニーランドでは......

 

 

一方、東京ディズニーランドユニバーサル・スタジオを尻目に、5月11日に営業再開にこぎつけた上海ディズニーランドでは、入場者数の制限を含め、当面の間、新しい運営方式のもとで営業されていることが各報道で伝えられています。

 

上海ディズニーランドでは、入場券の事前購入・来園予約、パーク内の待合エリア・レストラン・アトラクション施設、その他の施設で安全なソーシャルディスタンスを確保すること、消毒回数を増やすこと等、念を入れた取り組みが行われているようです。

 

お子さんを連れて遊園地に出向かれる場合は、以上の事項を念頭に置かれ、くれぐれもコロナ対策には抜かりがないようにご配慮のうえお楽しみください。

■親子で楽しむ中国テーマパーク特選

上海ディズニーランドは2016年6月16日に開園。中国本土で初、アジアで3番目、世界で6番目となる“夢の国”。

日、中、米、欧など各方面の優れたアイデア、企画、デザインを結集し世界最大のハローキティテーマパークが誕生。ハートフルで夢いっぱいの空間が、環境へのきめ細かい配慮のもと創り出されています。

敷地面積は約133ヘクタール。スイス、オランダ、ドイツ、イタリア、米国などから設備を導入し、70のアトラクションを開設。垂直ジェットコースターやギネス世界記録を保持する十環ジェットコースター、業界デザイン金賞に輝いたモータージェットコースター、ジャイアントハンマー、U型スケートボードなど世界最高峰のアトラクションが売りです。

総投資20億元。35万平方メートルという敷地を有する「深センハッピーバレー」は9つのゾーンに分かれ、100以上のアトラクションを有しています。

森林をテーマとした新世代のレジャースポット。森林世界、森林水世界、四季恒温水楽園及び四季悦リゾートホテルをカバーしています。

市内から少し離れたところにあり、車がないと少々不便。アトラクションはそれなりに充実。

日本でも風評が絶えなかった言わずと知れた元祖中国版“ディズニーランド”。天安門から15キロの距離にあり、敷地面積は約35万平方メートルに及んでいます。

2006年にオープン。大連海昌集団とシンガポールの西瑞克石油有限公司の共同投資により建設。敷地面積は47万平方メートル。大連ディスカバリーランドまたはキングダムオブディスカバリーとも呼ばれます。

天津を代表する大型テーマバークで、「トリンプ・キングダム」と呼ばれます。スケールの大きさ、サービスのレベルなどせ魅力を訴求。

武漢マヤビーチウォーターパークは華中地区唯一の大型ウォーターテーマランド。観光客とのインタラクティブ性を重視したこだわりある設計に定評があります。