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寿司を食べた“ファットマン”がキノコ雲に!

 

【やっちまった!シャオミの広告、またも炎上!寿司を食べた“ファットマン”がキノコ雲に!】

 

Xiaomi(シャオミ)がこのほど公式Twitterおよび公式YouTubeで公開した「Redmi Note 9シリーズ」の公式プロモーション動画がネットで物議を醸し、Xiaomi Japan(シャオミ日本)は広告内容に不適当な表現があったとして公式Twitterで謝罪を行ったほか、当該の動画を削除しました。

白人が“ファットマン”となって上空で爆破!?

 

 

一人の白人男性が寿司をほおばると身体が突然膨張を始めて浮き上がり、家の屋根を突き破って雲の上へ。そして浅草雷門の上空で爆発しキノコ雲に……そんなシャオミの公式プロモーション動画で使われた表現にネットは大騒ぎ。たちまち炎上と相成りました。

 

そもそも寿司を食べて肥満体となる男性は、長崎に投下された原爆の名称「ファットマン」を容易に想起させます。スマートフォン製品の機能のアピールとは全く関連性のない表現だったことだけに日本のネットでは非難轟々でした。

「低俗広告」で副社長も謝罪

 

 

実は、シャオミは先月24日にも、副社長である常程(チャン・チェン)氏が微博(ウェイボー)で問題ツイートを行い、謝罪コメントの投稿に発展した“前科”があります。同氏は、50倍デジタルズームに対応する望速カメラを搭載する「Mi 10 Youth Edition」をアピールしようと、あたかも、“女子寮の女性を盗撮”したかのような表現など“低俗”な内容をツイートに散りばめていたことが咎められました。

日本でも話題になった3年前の出来事

 

 

日本絡みでいえば、2017年9月に起きた「日本語専攻学生差別事件」を記憶している人も少ないかも知れません。河南省鄭州市の大学で開催されたシャオミの採用説明会で、同社の採用担当者が語ったコメントが大きな波紋を呼んだのです。

 

当時の関連報道によれば、採用担当者は女子学生にこう言い放ったといいます。「あなたが日本語専攻の学生なら出ていったほうがいいかも。“映画事業”で仕事したほうがいいんじゃないの」――。

 

“映画事業”とは成人映画を示唆するのは明白で、採用担当者はその後、この失言についてSNS上で公開謝罪を行います。ただ、それまでの経緯が朝日新聞Yahoo!ニュースで取り上げられたのは、もしかしたら「風評も評価なり」というのが拾のところだったかも知れません。シャオミは日本市場に進出していなかったにも関わらず、これを契機に日本でもすっかり名が知れ渡ることになったといえるのではないでしょうか。

同じ轍を踏まないために

 

 

とはいえ、今回の2つのケースは弁明は利かないでしょう。たしかに四角四面の印象しか残さない広告では、人々の消費欲を高めることはできません。とはいえ、さまざまな刺激的なコピーや映像が使われるなかで、“低俗”な路線に走ったり、時として“差別”につながる表現が盛り込められてしまうリスクを今回、まざまざと見せつけられた感じがします。

 

かつてトヨタ自動車もそうでした。中国の新聞と雑誌に掲載した新車広告に非難が集まり、公開謝罪を余儀なくされたことがあります。石橋の欄干に立つ獅子の像がトヨタの車に向かって敬礼。キャッチコピーは「貴方を尊敬せざるを得ない」――。17年も前の事件ですが、今回のシャオミの広告炎上を巡るニュースにまぎれて、この問題を指摘する投稿を見かけましたので敢えて紹介してみました。油断大敵、人の振り見て我が振り直せ――でしょうか。

 

(耕雲)